国際宇宙ステーションに代わる宇宙環境利用プラットフォームを開発するElevationSpaceが3.1億円のシード調達
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国際宇宙ステーション(ISS)に代わって宇宙での実験や製造が行える宇宙環境利用プラットフォーム「ELS-R」を開発する宇宙スタートアップElevationSpace(エレベーションスペース)は3月9日、シードラウンドとして、第三者割当増資による約3億1000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、Genesia Venture Fund 3号投資事業有限責任組合(ジェネシア・ベンチャーズ)をはじめとする6社。これにより補助金なども含めた累積調達額は3億5000万円となった。また、新たな社外取締役に、ジェネシア・ベンチャーズのPartnerおよびChief ESG Officerの河合将文氏が就任した。
ElevationSpaceは、東北大学吉田・桒原研究室で10基以上の小型人工衛星を開発してきた技術を基に、2021年2月に設立した東北大学発の宇宙領域スタートアップ。宇宙空間での実験・研究・製造などが行える小型宇宙環境利用プラットフォーム「ELS-R」の開発を行っている。2023年後半には技術実証機「ELS-R100」を打ち上げ、2026年にはサービス提供機「ELS-R1000」を打ち上げる予定だ。
ELS-Rでは、宇宙の微小重力環境を活かした研究、試験、製造が行える。実験などを行ったペイロードは地球に帰還させ、回収することができる。何かと利用が難しく、2030年には退役が予定されているISSに代わって、安価に素早く利用できるのが特徴だ。想定される利用例としては、基礎研究フェーズの他、創薬分野の高品質なたんぱく質結晶の生成といった応用研究フェーズから、宇宙旅行を見据えた化粧品・食品・家電品などの開発に関連する実証や試験フェーズ、地上では作れない新素材の宇宙製造といった量産フェーズなどが考えられている。技術実証機では、ユーグレナが、宇宙での食糧やエネルギー源となるミドリムシの培養実験を行うことが決まっている。
今回調達した資金は、ELS-R100の開発促進、さらにELS-R1000の研究開発と事業開発に向けた組織体制の構築に使われるとのこと。また今回、科学技術分野の企画、研究、コンサルティングを行うリバネスグループとの業務提携も発表された。同社が持つビジネスと科学領域の知見と産官学のネットワークを活かして、宇宙での新規材料製造マーケットの創出に取り組むという。
引受先6社は、ジェネシア・ベンチャーズ、みらい創造機構、既存投資家のMAKOTOキャピタル、リバネスキャピタル、東北大学ベンチャーパートナーズ、Plug and Play Japanとなっている。