デジタル革命で役割が変わる「エンタープライズアーキテクト」
今回は「デジタル革命で役割が変わる「エンタープライズアーキテクト」」についてご紹介します。
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最近では、エンタープライズアーキテクト(EA)の肩書きに「デジタルエンタープライズアーキテクト」という新しい呼び方が加わっている。これは、この数年でEAの役割が拡大し、データアナリティクスを扱うことが増えているためだ。同時に、ほかのITプロフェッショナルの役割も変化している。
これは、世界中の何千人ものプロフェッショナルに技術的なスキルのトレーニングを提供する企業Arcitura Educationの最高経営責任者(CEO)であり、『A Field Guide to Digital Transformation』の共著者でもあるThomas Earl氏が述べていることだ。「今はエンタープライズアーキテクトにとって新たな時代だ」とErl氏は言う。エンタープライズアーキテクチャの専門家であるエンタープライズアーキテクトについてさまざまな著書を出版してきた同氏は、最近のインタビューで、EAの役割はビジネスとともに変容してきたと語った。
「EAの業務は大きな影響を受けてきた」と同氏は言う。「現在のEAが果たしている役割を見れば、彼らがデジタルエンタープライズアーキテクチャの責任を担っていることが分かる。これは、彼らが本来面倒を見るべきエコシステムとはまったく異なるエコシステムだ」
元々のEAは、アプリケーションの設計や、アプリケーションのアーキテクチャ、デプロイメント、管理、メッセージングなどの責任を負ってきた。Erl氏の言葉を借りれば、これは「連携して機能するさまざまなパーツを作る」ということだ。ただし従来は、「データの領域はデータの専門家が管理してきた」という。
しかし、現在のデジタルエンタープライズアーキテクトは、データの領域でもリーダーシップを発揮する必要に迫られている。「デジタル企業のEAは、データサイエンスに対する知識を身に付けざるを得ない。それは避けて通れないことだ」とErl氏は言う。「経営者が技術の専門家に判断を委ねることができなくなったのと同じように、EAもデータについて一定程度は理解している必要がある。現代のEAがデジタル企業を支えるデータエンタープライズアーキテクチャを確立するには、データの専門家に判断を委ねる訳にはいかなくなっている」
Erl氏によれば、デジタル企業は「アプリケーションの機能の一部として統合されたデータサイエンスシステムを必要としている」という。「エンタープライズソリューションの機能に自動化された意思決定を組み込むことができるとすれば、これは経営者のレポート作成作業だけに止まる話ではない。どのように自動化すべきかも問題だ」
このことは、「アプリケーションの設計にまったく新たな局面をもたらす」とErl氏は述べている。「EAは、意思決定の自動化を行うべき場面と、そうすべきでない場面を理解している必要があり、意思決定の内容がまずかった場合の影響についても理解していなければならない。また、意思決定をAIシステムに委ねることや、AIの意思決定を時とともに改善していくためにシステムのトレーニング方法や、システムの運用方法がもたらす影響についてのリスク評価も行う必要がある。これは今や、多くの企業にとって、アプリケーション設計の本質的な部分になっている」