日本IBMが顧客について考えていること–先進の半導体、量子、アーキテクチャーに言及
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日本IBMは12月13日、ユーザー向けの年次イベント「Think Japan」を都内で開催した。「Leading together in a changing world~より良い社会と未来をともに~」をテーマに、デジタル変革(DX)による新たな価値創造やテクノロジーの未来について論議した。
イベントのパート1では、「より良い社会と未来をともに」とし、三菱UFJフィナンシャル・グループやダイキン工業が登壇。対談形式で経営観点から取り組みを紹介した。パート2では、「デジタル変革による新たな価値創造」とし、第一生命や北九州市のDX事例などを紹介。また、パート3は「テクノロジーの未来」と題し、米IBM シニアバイスプレジデント IBM ResearchディレクターのDario Gil氏が登壇。IBMが取り組む量子コンピューターや人工知能(AI)などの最新技術について説明した。
基調講演には、代表取締役社長の山口明夫氏が登壇。日本IBMの5つの提供価値などについて説明し、「多くのお客さまが気候変動対策や地政学的リスクへの対応、サイバーセキュリティへの取り組み、人材不足への対応、エネルギー対策などを課題に挙げられる。一方で、クラウド、AI、量子といった新技術の利用や活用に不安もある」としつつ、「あるお客さまは『今は大変な時代だと言われるが、長い人類の歴史から見れば、フラット化した世界だった。この30年の方が異常であったともいえる。世界情勢は今が普通と考え対応することが大切』と言われた。これには納得し、前提条件を見直す必要がある。そのためにもテクノロジーが必須となっている」と述べた。
その上で、「社会インフラであるITシステムの安定稼働」「AIやクラウドなどのテクノロジーを活用したDXをお客さまとともに推進」「CO2(二酸化炭素)やプラスチック削減などのサステナビリティーソリューション」「半導体、量子、AIなにどの先端テクノロジーの研究開発」「AI/IT人材の育成と活躍の場」の5つの領域で日本IBMが価値を提供していることを示した。
山口氏は、「システムが複雑化し、従来の人手に頼る管理方法では対応できない。そこでデータやAIを活用して障害が発生しないように検知し、障害が発生しても影響を小さくする方法を提供している」と述べる。またサイバー攻撃の標的は、3年前が地方銀行、2021年は製造業の工場、2022年は病院となるなど全ての業種がサイバーセキュリティに対応しなくてはならない時代が訪れているとした。
「『Watsonはどこに行ったのか』と思う人が多いかもしれないが、今はハードウェアに組み込まれての利用が非常に増えている。Watson活用ソリューションが増え、それが実用化されているのが実態。日本IBMは環境に関するトレーサビリティーを共有できるプラットフォームも開発している」と述べたほか、「これらの取り組みは膨大なデータを高速処理しなくてはならない。そこで量子コンピューターを開発し、日本のお客さまに多く利用してもらえるようにしているが、ここではエネルギー消費量が問題になる。その解決に向けて脳の神経網に似せたニューロ型チップを開発している。さらに、これらを実現して運用するスキルを持つ人も必要。企業や教育機関、地域と連携し育成している。札幌、仙台、北九州、那覇に『IBM地域DXセンター』を開設し、これをさらに広げていき」などと話した。