リモート会議で発生する排出量を追跡–シスコの「Carbon Emissions Insights」機能

今回は「リモート会議で発生する排出量を追跡–シスコの「Carbon Emissions Insights」機能」についてご紹介します。

関連ワード (テクノロジーとサステナブルな未来、経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 過去数年間でデジタルコラボレーションが急速に普及し、遠方の人とのコミュニケーションがこれまでになく容易になった。一見したところ、これは二酸化炭素排出量削減の取り組みにおける大勝利のように思える。おそらく、出張の必要性はかつてないほど低下しているだろう。

 しかし、リモート会議の実施に費やされるエネルギーは増加している。これが環境にどれほど甚大な影響を及ぼすかは、測定が難しい場合がある。そこでCiscoは、こうした懸念に対処するための新しいツールを発表した。「Webex Control Hub」に搭載される新機能「Carbon Emissions Insights」により、IT管理者はWebexデバイスの消費エネルギー量と、その二酸化炭素換算(CO2e)排出量を知ることができる。

 2023年夏に提供予定のCarbon Emissions Insightsは、Control Hubにおいてデフォルトで有効化され、すべての顧客が無料で利用できるようになる。データをAPI経由でエクスポートして、顧客の持続可能性レポートツールに統合することも可能だ。

 「これらのデバイスを多数抱える大企業を想像してみてほしい」。Ciscoのコラボレーション担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのJaved Khan氏は米ZDNETにこう語った。「特に現在の世界では、オフィスへの復帰が検討されているため、使用方法が絶えず変化している。その状況をCarbon Emissions Insightsによって把握できるようになる」

 政府規制当局や株主など、企業の二酸化炭素排出量について詳しく知りたい利害関係者に対して、企業はこれまで以上に説明責任を果たさなければならない。Gartnerによると、2022年は、調査対象の最高経営責任者(CEO)が環境の持続可能性をビジネスの戦略的な優先事項のトップ10に挙げた最初の年だったという。

 「持続可能性は近年、全般的に大きな話題だ」とKhan氏。「CEOたちに話を聞くと、サプライヤーやパートナーにも持続可能性へのさらなる取り組みを望んでいる」

 Ciscoデバイスのエネルギー消費を追跡することで、スコープ2排出量(電気、蒸気、熱、冷却の購入に関連)をより正確に測定することが可能になる。

 「当社には、このデータがすでに豊富にあった。これは一朝一夕で構築できるものではない」。Khan氏はCarbon Emissions Insights機能についてこのように述べ、コラボレーションハードウェア市場で他に類を見ない機能だと評した。

 Ciscoは、この新機能が排出量追跡に実際に影響を与える可能性があると考えている。その根拠は、同社のコラボレーションハードウェアを使用している顧客の数だ。出荷されたCiscoのコラボレーションデバイスは1億台を超える。

 Carbon Emissions Insights機能は、排出量の追跡に加えて、エネルギー消費やCiscoコラボレーションデバイスの使用の最適化に関する判断にも役立つ可能性がある。たとえば、IT管理者にWebexの「Office Hours」機能を案内して、エネルギー使用量を削減できるようにする。

 Ciscoはそれと並行して、持続可能性に関連する他の追跡ツールや推奨ツールにも取り組んでいる、とKhan氏は述べた。たとえば、同社は室温などの指標に関するガイダンスを顧客に提供する計画だ。Ciscoのデバイスが部屋の温度を追跡して、いつブラインドを下げるかを提案し、エアコンの使用を最適化できるようになる可能性がある。

 Ciscoは、ネットワーク機器やソフトウェアプラットフォームといった他のCisco製品の使用時に発生する排出量を追跡できる機能の提供も計画している。

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