セールスフォースに特化したDevOpsを展開するFlosum
今回は「セールスフォースに特化したDevOpsを展開するFlosum」についてご紹介します。
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米Flosumは、Salesforceに特化したDevOpsとデータ保護、セキュリティの仕組みを展開するクラウド企業だ。創業者 CEO(最高経営責任者)のGrish Jashnani氏に特色などを聞いた。
Jashnani氏は、OracleとSalesforceで25年以上にわたり戦略やビジネス、アプリケーション開発のビジネスに携わった。特にSalesforce時代は、2つの特許を申請した経験があり、アプリケーション開発における生産性向上に取り組む中で、従来型のアプリケーション開発環境に課題を感じ、2012年にFlosumを創業した。
Salesforceでは、アプリケーションストアの「AppExchange」などで多種多様なアプリケーションが提供され、さまざまなユーザーが利用している。Jashnani氏によれば、Salesforceのアプリケーション開発では宣言型開発環境などを特有の要素が考慮する必要があり、「オープンソースベースの一般的なDevOpsツールをSalesforceアプリケーション向けに活用しようとすると、かえって生産性や効率が低下することが分かった」と述べる。
また、Salesforceアプリケーションは、ITエンジニアだけではなく、ビジネスアナリストなどのエンジニアではないユーザーも開発する。そうした「市民開発者」が利用しやすいローコード/ノーコード環境も求められていたという。
同社は、Salesforceアプリケーションの構成管理や継続的インテグレーション/継続的デリバリー(CI/CD)を担うFlosumプラットフォームを主力として、近年にはバックアップ/リカバリーとセキュリティの「Trust Center」を加えた3つを展開する。こうしたポートフォリオにより、各種業界の大手企業や米軍、政府機関といったミッションクリティカルなビジネスを手がける顧客を獲得しているとする。
クラウド環境のアプリケーション開発は、JavaやCといったメジャーな言語を用いたDevOps手法が一般的で、それに慣れたエンジニアも多い。ただ、Salesforce環境ではメタデータの操作や処理などの特有の要素を考慮したり、Salesforceの「APEX」言語などをサポートしたりしている必要がある。Flosumプラットフォームは、一般的なDevOpsツールが十分にサポートしていないこうした点をサポートすることで、DevOpsツールとしての効率的なリリース管理やCI/CDの運用を実現しているという。
正確な比率は把握していないとのことだが、Flosumプラットフォームの市民開発者は数万規模に上るという。多くの市民開発者は、エンジニアのようにDevOpsツールを駆使できるわけではないため、Flosumプラットフォームでは市民開発者がコードをほぼ使うことなく直感的にアプリケーションを構築できるようにも配慮しているとJashnani氏は述べる。
近年に加えたバックアップ/リカバリーでは、Salesforce上のデータをユーザーが任意でオンプレミスや各種パブリッククラウド、あるいはFlosumが管理するAmazon Web Services(AWS)環境にバックアップする。セキュリティのTrust Centerでは、Salesforce環境でユーザーが陥りがちな設定ミスなどの検出と修正のサポート、プライバシー保護、ポリシー管理、セキュリティログ管理、SOC監査および報告書出力のコンプライアンス機能を提供する。これらは、Flosumプラットフォームのユーザーからの強い要望を踏まえて追加した。
「AWSやMicrosoftの『Azure』などのクラウドサービスで基本的なセキュリティサービスが用意されているように、Salesforceでもセキュリティ機能が提供されているが、多くの顧客がSalesforce特有のデータ管理といった要素も踏まえた高度なセキュリティ機能を求めていた。Flosumには、DevOps環境があるので、これとTrust Centerが連携してアプリケーションのセキュリティ上の不備にも迅速で効率的に対処できるようになっている」
国内では2018年からテラスカイと提携している。「Salesforceを通じてテラスカイもFlosumと同じくSalesforceのアプリケーションを開発していることに共感した」とJashnani氏。2023年8月には、提携関係を強化すべくテラスカイと日本での独占販売契約を締結し、日本市場での展開をさらに強化していくという。
日本企業のクラウド移行が進み、クラウドネイティブなアプリケーションの開発環境が広がる中でFlosumは、Salesforce特化というユニークな切り口から日本での認知拡大を目指すとしている。