OpenAIの新たな対抗馬、Mistral AIについて知っておくべきこと
今回は「OpenAIの新たな対抗馬、Mistral AIについて知っておくべきこと」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
読者の中には、これまではMistral AIというAIスタートアップのことなど全く知らなかったのに、最近になって急に同社のニュースを目にするようになったという人もいるだろう。これは同社が先ごろ、Microsoftとの提携や「Amazon Bedrock」へのAIモデルの追加、最新モデルの公開といった発表を相次いで行ったからだ。
Mistral AIはどんな製品を提供しているのか、どうすれば同社のモデルを利用できるのかといった疑問を持っている人は、ぜひこのまま読み進めてほしい。この記事では、それらをはじめとする基本的な疑問に答えていく。
Mistral AIはフランスのAIスタートアップだ。Metaの従業員だったTimothee Lacroix氏とGuillaume Lample氏、そしてGoogleの親会社であるAlphabet傘下のAI企業DeepMindの研究者だったArthur Mensch氏が立ち上げた比較的新しい会社で、2023年4月に設立された。
Mistral AIは、さまざまなユーザーのニーズに合わせた複数のAIモデルを開発してリリースしており、商用モデルとオープンなモデルの両方を持っている。
オープンなモデルは無償で利用でき、完全に自由に利用できるライセンスになっている。これには独自のTransformerモデルである「Mistral 7B」や「Mixtral 8x7B」が含まれており、同社のウェブサイトによれば、Mistral 7Bは8Kトークンのコンテキストウィンドウを持ち、比較的小規模で英語が得意なモデルで、同社のオープンなモデルの中で最も能力が高いMixtral 8x7Bは、32Kトークンのコンテキストウィンドウを持ち、英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、コーディングを得意としているという。
商用モデルには、「Mistral Small」「Mistral Embed」、そして最近発表されたばかりの「Mistral Large」がある。これらはそれぞれ目的が異なっており、コストやワークロードの機能もさまざまだ。Mistral SmallとMistral Largeは英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、コーディングを得意としており、32Kトークンのコンテキストウィンドウを持っている。Mistral Embedは今のところ英語版のみで、テキストから抽出された内容の特徴量を抽出するよう設計されている。
また同社は先ごろ、無償で利用できるベータ版のチャットボット「Le Chat」も発表した。このチャットボットでは言語モデルにMistral Large、Mistral Small、プロトタイプモデルである「Mistral Next」を利用でき、ユーザーが自由にモデルを切り替えることができる。Le Chatは今のところインターネットにアクセスできない。このチャットボットは、ベータテストにサインアップするだけで利用できる。