AIアシスタントが広告関連業務を手助け–サイバーエージェント、社内アプリを開発
今回は「AIアシスタントが広告関連業務を手助け–サイバーエージェント、社内アプリを開発」についてご紹介します。
関連ワード (マーケティング等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
サイバーエージェントは6月17日、インターネット広告事業に従事する従業員一人一人にAIアシスタントを提供するとともに、広告オペレーション業務の効率化を支援するアプリケーション「シーエーアシスタント」を開発し、社内へ導入したと発表した。同社は、生成AIの活用を通して業務の在り方を再構築し、広告運用における生産性と品質の向上を図るとしている。
サイバーエージェントは2023年、生成AIに関する従業員のリテラシーを向上させるとともに、全従業員が生成AIを業務で活用できる環境を整備する「AIオペレーション室」を設立し、活用ノウハウの蓄積、製品開発や業務プロセスの整備と標準化、AI人材の育成に取り組んでいる。
一方、広告事業において広告効果の最大化を実現するには、細かな広告配信設定、効果に応じた運用改善、レポート作成など多くの作業が必要となる。同社は生成AIを活用することで広告オペレーションの作業時間を短縮する体制や仕組みの構築を推進しており、2023年には広告事業における広告オペレーションの作業時間短縮を推進する「ChatGPTオペレーション変革室」を設置。月間で約23万時間に上る広告オペレーションにかかる人的な作業時間のうち、30%に当たる約7万時間の削減に取り組んできた。
シーエーアシスタントは、生成AIがインターネット広告に関わる各種業務をサポートする社内向けのアプリケーション。広告分析や広告配信におけるアカウント開設時の進行管理、効果計測、顧客への一次回答などを生成AIが手助けすることで、生産性と品質の向上を図る。メッセージや広告実績、分析の内容が生成AIモデルの学習に使用されることはないという。
今まで人手によって作業していた時間を生成AIが代替することで、従業員は作業にかかっていた時間を顧客の広告効果最大化に向けた考察時間に活用することが可能となる。シーエーアシスタントは「Slack」をインターフェースとし、従業員は自然な対話を通してサポートを受けられる。
現時点では、5つの機能を提供している。広告分析機能では、サイバーエージェントの広告運用ビジネスインテリジェンス(BI)ツール「CA Dashboard」のデータを基に、広告実績の分析や簡易コメントをAIが作成する。グラフ作成機能では、CA Dashboardのデータを基に、ユーザーがAIボットと対話しながら適切なグラフを作成できる。
初期構築管理機能では、インターネット広告の主要媒体における広告配信開始までのタスク生成と進行管理をAIが行う。各種タスクに関するよくある質問(FAQ)に回答するなど、広告配信開始までをAIがガイドする。
テクニカルサポート機能では、事業部内で提供している各種システムに関する質問にAIが回答する。具体的には、「Googleタグマネージャー」、各種ソフトウェア開発キット(SDK)、「LINEビジネスコネクト」など、広告運用に関する各種計測に関する質問に答える。一次回答生成機能では、顧客へのSlackやメールの一次回答をAIが作成する。同機能は、メッセージの管理から添削、送信までを一貫して行う。
シーエーアシスタントの対象は、サイバーエージェントのインターネット広告事業本部内の各営業/コンサルタントで、2024年9月末までに80%の導入を目指している。同12月末までに対象者全員が使いこなし、生成AIと協働する状態を目標としている。同社の100%子会社で広告オペレーション業務を行うシーエー・アドバンスにおいても導入を進めており、約1000人が対象となる。サイバーエージェントは今後、取引のある広告主の要望に応じてシーエーアシスタントの一部機能を外部提供することも見据えている。