「パフォーマンスは出発点に過ぎない」–NVIDIA幹部に聞く、ピュア・ストレージの真価
今回は「「パフォーマンスは出発点に過ぎない」–NVIDIA幹部に聞く、ピュア・ストレージの真価」についてご紹介します。
関連ワード (ITインフラ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
Pure Storageは米国時間6月18~21日、米ラスベガスで年次イベント「Pure//Accelerate 2024」を開催した。多数の発表が行われた中、ここでは主にAIに関連する話題を取り上げる。このところの生成AIブームといえる状況を受けて業界各社が一斉に生成AIの活用を強化しており、特にAIOpsと呼ばれるAIによる運用管理支援はどの製品にも必須の基本機能なのではないかと思われるほどに普及が進み、当たり前の機能となりつつある印象がある。
Pure Storageでもこうした取り組みは当然に行っており、「AI Copilot for Storage」として発表している。同時に、同社はストレージベンダーとしてAIシステムに接続し、データを供給する役割を担うストレージの供給元という立場もあり、こちらの視点からの取り組みも発表されている。
本来はサイバーレジリエンスやランサムウェア対策の強化という文脈で発表されたものだが、AIの活用とも密接な関連があるため、ここで紹介しておきたい。同社のStorage-as-a-Service(STaaS)である「Evergreen//One」ではさまざまなサービス水準合意(SLA)が設定されてサービスレベルが保証されているが、その一環として提供される「サイバーリカバリーおよびレジリエンスSLA」は、カスタマイズされたリカバリープランを提供・定義されたSLA内でクリーンなサービスインフラを出荷し、オンサイトインストールとデータ転送のための追加プロフェッショナルサービスを提供する。ランサムウェア攻撃などの検出には、AIを活用した新たな異常検知機能の強化という成果が活用される。
サイバーリカバリーおよびレジリエンスSLAでは、サイバー攻撃やさまざまな災害などの被害が生じた場合に代替機としてクリーンなアレイが提供され、48時間以内に復旧できるような支援が提供される。国内でも老舗の動画配信サイトがサイバー攻撃の被害を受け、長期にわたって復旧できないことが見込まれているが、このSLAではこうした長期的な被害の発生に備えられる。
General Manager, Digital Experience Business UnitのPrakash Darji氏は、これらのSLAの取り組みについて「Evergreen//Oneユーザー向けに提供されるSLAで、ユーザーに求められる条件は『SafeMode』を有効にしておくことだけだ」と言う。SafeModeは書き換え不能なイミュータブルスナップショットを作成する機能で、これを使って復旧作業を行うことになる。一般的なランサムウェア保険などとは異なり、エンドポイント型脅威検知/対応(EDR)などのランサムウェア対策の導入が別途要求されることはないという。
また、ストレージ側の機能ということで大域的な暗号化処理の実行などを検知することは想像できるものの、今では一般的になっている二重脅迫などのような情報漏えいに関して確認したところ、データの読み出しアクセスであっても通常のアクセスパターンと異なる場合は警告することが可能だという。
なお、学習期間に関しては「最大限の効果を得るならおよそ1年」とした。年次処理などへの対応も含めた想定だと思うが、同時にDarji氏は「それ以下の期間では役に立たないという意味ではなく、モデルは刻々と改善される」とした。なお、2日目の基調講演にゲストとして登壇したニューオーリンズ市の最高情報責任者(CIO)が2019年に受けたランサムウェア攻撃の経験を語り、市の全システムダウンという深刻な事態に見舞われたものの、Pure Storageの担当者に連絡を取ったところ翌日には代替のストレージが到着し、迅速に復旧作業が開始されたというエピソードを紹介して大喝采を浴びていた。
ユーザーとしてAI技術を活用する以外にも、Pure StorageにはAIシステムを支えるストレージを供給するという役割もある。この分野の取り組みとして今回発表されたのが「Evergreen//One for AI」で、「初のAI専用Storage-as-a-Service」と説明されている。何をもってAI専用と言っているのかが問題だが、General Manager, Core Platform Business UnitのShawn Hansen氏は「AIシステムでは高価な演算リソースであるGPUを多数運用することになるため、投資を無駄にしないためにもGPUをアイドルさせないよう、大量のデータを確実に供給し続ける必要がある」と説明した。
「Evergreen//One for AIは、AIワークロードを想定してデータスループットを保障し、SLAによって確実にデータがGPUに供給されるようにする。データスループットは1GB/minが単位となり、必要なだけ契約してもらえばそれが保障される」(Hansen氏)