セールスフォース、「Life Sciences Cloud」を国内提供–臨床試験の迅速化に寄与

今回は「セールスフォース、「Life Sciences Cloud」を国内提供–臨床試験の迅速化に寄与」についてご紹介します。

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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 セールスフォース・ジャパンは7月12日、製薬および医療機器メーカー向けプラットフォーム「Life Sciences Cloud」の国内提供を開始すると発表した。被験者募集マッチングを含むAI機能は2024年後半、治療の中断率を下げる「Patient Program Outcome Management」は2024年10月に提供開始予定となる。

 同社 執行役員 ソリューション統括本部 インダストリーアドバイザー本部 本部長の國本久成氏は、「画期的な新薬や医療機器を一日でも早く、病気で苦しんでいる患者さんに届くよう支援したい」と意気込みを語った。

 生命化学とも呼ばれるライフサイエンスだが、セールスフォース・ジャパンが取り組んだのは、製薬および医療機関企業向けのソリューションである。國本氏は、「医療やケアは患者中心の活動にシフトしている。ライフサイエンス企業が患者や医療関係者に対してエンゲージメントを高めるにはAIの活用と進化が必要だ。パーソナライズした治療やケアが可能になると確信している」と同業界に取り組む理由を説明した。

 Life Sciences Cloudはライフサイエンス業界に特化したサービスプラットフォームで、患者と医師に代表される医療関係者の関係性向上に寄与する。例えば、統合データプラットフォームとAI機能によって、データを統一プロファイルに接続した患者のパーソナライズ化や、医療従事者からの問い合わせ管理の合理化と必要な情報を提供する機能を搭載している。

 米Salesforceの調査結果によれば、ケアプログラムに対する患者のアドヒアランス(患者が治療方法を理解し、積極的に治療参加する状態)は27%、顧客満足度は30%向上したという。同ソリューションは臨床試験・医療情報管理・販売もしくは承認後の3領域でAIを活用した多角的なサービス提供を目指しており、一部機能は2024年10月に提供開始予定だが、その後も2025年、2026年と段階的に機能強化を行うとしている。

 特にLife Sciences Cloudは医薬品や医療機器などの治療を試験的に実施して、有効性や安全性を調べる臨床試験分野に注力している。セールスフォース・ジャパンが提示した調査結果によれば、患者を募集する際の推定コストは18.9億ドルにも及ぶという。未承認医薬品や医療機器を使用する治験の80%は必要な患者が集められず、スケジュール延長を余儀なくされている。

 國本氏は「臨床試験の課題はウォーターフォール型の運用。アジャイルな考え方を適用し、フェーズ単位で問題を解決して反復プロセス型に変更すれば、臨床試験をより早く完了させられる」と述べながら、AIとデータ、そしてプラットフォームの重要性を強調した。

 具体的には、医療保険の相互運用性と説明責任に関する米国の医療保険法令(HIPAA)に準拠した大規模な無作為化臨床試験を管理する「Clinical Excellence Platform」や、候補者と医療提供者双方が臨床試験に関する情報を検索できるポータルサイトの強化、候補者の採用担当者が事前スクリーニングした複数の候補者登録状況を管理する機能を2024年7月に提供。候補者と臨床試験を自動マッチングする機能を2024年冬に提供する予定だ。

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