「経営ダッシュボード」の一般社員開示でNECは何を目指しているのか
今回は「「経営ダッシュボード」の一般社員開示でNECは何を目指しているのか」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
企業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の一環として、経営情報を画面上で一覧できるようにした「経営ダッシュボード」を活用する企業は増えているが、それを経営層だけでなく一般社員まで開示するという取り組みは珍しい。NECが社内DXでそうした取り組みを進めていることを明らかにした。これは大きな組織改革でもある。NECは何を目指しているのか。
「DXは単なるデジタル化でなく、デジタル技術を使って本質的なトランスフォーメーションを実行し、変わり続ける力や文化を“DNA”として根付かせることだ」(写真1)
NEC 執行役 Corporate EVP 兼 CIO 兼コーポレートIT・デジタル部門長の小玉浩氏は、同社が先頃開いた社内DXの取り組みについての記者説明会でこう切り出した。そして、トランスフォーメーションを「全体最適およびゲームチェンジ」とも表現した。その上で、「トランスフォーメーションは9つの変革ドライバーを起点として、ビジネスの成果につながる施策を立案し推進していくことが重要だ」と説明した。図1に示したのが、9つの変革ドライバーである。
企業によって変革ドライバーに若干の違いはあるかもしれないが、トランスフォーメーションの要素をこうした形で明示したケースは珍しく、非常に興味深い内容だったので、まずは取り上げておきたい。一言付け加えておけば、DXは「ブランディング」にまで深く関わる取り組みである。
会見の内容については関連記事をご覧いただくとして、本稿ではNECによる社内DXの中で、データドリブン経営およびマネジメント変革に向けた経営ダッシュボード、さらにその上位に位置付けられた「経営コックピット」の取り組みに着目したい。
同社は今回の会見に当たり、「当社は経営とマネジメントの質のさらなる高度化に向けて、全社的なデータドリブンな働き方を推進している。全社のプロセスとデータを標準化した上で、財務、人事、ITなどの10領域92種類にわたる経営情報を経営ダッシュボードとして可視化し、経営層から一般社員までが同じデータに触れ、ファクトに向き合い、分析、経営判断、意思決定などのアクションの実行につなげていく」ことを明らかにした。
小玉氏によると、実際には経営ダッシュボードの上位に位置付けられた経営コックピットによって、部門長以上の経営幹部がまさしく経営情報のハンドリング(操作)を行っている。そこからCxOの領域ごとに情報を整理して可視化したのが、経営ダッシュボードだ。同社は今回、経営コックピットの存在を明らかにするとともに、経営ダッシュボードを一般社員とも共有することを明示したわけだ(図2)。
その目的は先にも述べたように、「経営層から一般社員までが同じデータに触れ、ファクトに向き合い、分析、経営判断、意思決定などのアクションの実行につなげていく」ことにある。