インテルの優位に陰りをもたらす–クアルコム「Snapdragon X」が揺るがすCPU市場
今回は「インテルの優位に陰りをもたらす–クアルコム「Snapdragon X」が揺るがすCPU市場」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
筆者が覚えている限り、MicrosoftとIntelは昔から切っても切れない間柄のパートナーだった。PCマザーボードの心臓部であるx86チップをIntelが製造し、それらのPCで動作する「Windows」OSをMicrosoftが開発した。実際に、この2つのブランドは相性が完璧だったため、業界アナリストは両社の社名を1つにまとめたWintelという造語を生み出したほどだ。
この30年で、CPU業界の頂点に君臨するIntelに競合各社が戦いを挑んできたが、その挑戦は短期間で終了した。ほとんどの企業が獲得した市場シェアは、測定できないくらいに小さい。VIA Technologies製プロセッサーを搭載していたPCの製品名を挙げられる人はいるだろうか。最も成功した挑戦者であるAMDは、ゲーマーなど、パフォーマンス重視のユーザーに訴求することで、PC市場で約20%のシェアを獲得している。
しかし、Qualcommの「Snapdragon X」シリーズの発表によって、市場の状況が完全に覆る可能性がある。
筆者は「Surface Pro」第11世代の最も低価格の構成をレビューしたとき、自分の見解を次の一言でまとめた。「このマシンは最高に素晴らしい」。今回の記事も、そのレビュー記事で紹介したのと同じSurface Pro第11世代で執筆している。古いIntelベースのマシンに戻るつもりは全くない。
筆者の意見が例外的なものだと思われては困るので、他の記者たちが公開したSnapdragon X搭載PCの新製品群に関するレビュー記事をいくつか紹介しよう。
「Surface Laptop」第7世代をレビューしたWindows CentralのZac Bowden氏は、「市場で最高のクラムシェルノートPC」と評し、同氏がテストしたハイエンドの15インチモデルはバッテリー持続時間が「驚異的というほかない」と付け加えた。
PC WorldのChris Hoffman氏は、「Lenovo Yoga Slim 7x」を「Qualcommの『Snapdragon X Elite』ハードウェアの性能を見せつけた製品」としている。Hoffman氏も、ARMアーキテクチャーによって可能になった「驚くべきバッテリー持続時間」を強調した。
EngadgetのDevindra Hardawar氏は、Surface Pro第11世代のレビューで安堵感をあらわにした。Microsoftの最新モデルは「史上最高のSurfaceタブレット」であると書いたうえで、「Microsoftはついに、私が窓から投げ捨てたいと思わないようなARMベースSurfaceタブレットを開発した」としている。
3氏は皆、経験豊富で、少し擦れたレビュアーであり、Microsoftが失敗したときにそれを指摘することを恐れないが、今回そのような指摘は全くなかった。
実際に、筆者がこれらの次世代Windows PCに関して見つけることのできた否定的なレビューは、Wiredの1件だけだ。Christopher Null氏はその記事で、Surface Pro 11を「恐ろしく高価」と評したが、一方で同デバイスの「素晴らしいバッテリー持続時間」を賞賛している。
初期のベンチマークテストでも、Qualcommのハードウェア性能に対する有力な裏付けが得られる。Tom’s Guideは詳細なテスト結果を公開し、次のように結論づけた。「Snapdragon X Elite搭載ノートPCはパフォーマンスが優れており、(おそらく)バッテリー持続時間が非常に長い。AppleとIntelはQualcommを警戒すべきだと言って差し支えないだろう」。同サイトが指摘した唯一の弱点はゲーミングだった。