AIコンバージェンス時代の到来–ポストDXの時代に注視すべきトレンド
今回は「AIコンバージェンス時代の到来–ポストDXの時代に注視すべきトレンド」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
生成AIを含むAI技術は、人々の行動様式や産業構造に大きな変容をもたらすという意味で、インターネット登場以来の破壊的かつ革新的テクノロジーといえます。また、AIはあらゆる技術と融合(コンバージェンス)することで、さらなる革新を引き起こすことが予想されます。
経済産業省のDXレポートが世間をにぎわせてから既に5年以上が経過し、多くの企業で実践的な取り組みが展開されています。その中で、一部の先進的企業は、DXを着実に推進し、全社規模で定着化させるとともに、次の時代に向けた準備を進めています。
昨今、ITRに寄せられる質問には、「DXの次に注目すべきトレンドは何か」「2030年に向けて企業は何に備えるべきか」といった将来を見据えたものが多くなっています。多くの企業にとって長い旅路となるDXジャーニーはいまだ道半ばでありますが、急速に進展するテクノロジーと目まぐるしく変化するビジネス環境の中では、常に半歩先を見据えた備えが求められます。
ITRは、毎年年初に“注目すべきIT戦略テーマ”を発表していますが、2024年に選出した注目トレンドでは、多くの戦略テーマにおいてAIが必須のテクノロジーに位置付けられています(図1)。
そうした中、今回はDXの先に注視すべき重要なテクノロジートレンドとして「AIコンバージェンス」を取り上げます。人々の行動を変容させる革新的テクノロジーの台頭が、社会の在り様を一変させることは珍しくありません。1990年代にインターネット技術が普及したことにより、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)に代表されるプラットフォーマーが台頭し、さまざまな産業に破壊的な変革をもたらし、あらゆる場面で「いつでも・どこでも」が可能となったことは記憶に新しいのではないでしょうか。
生成AIを含むAIは、インターネット到来と同等またはそれ以上の影響を社会に及ぼす、破壊的かつ革新的テクノロジーといえます。また、AIはあらゆる技術と融合することで、さらなる革新を引き起こすことが予想されます(図2)。
社会や産業界では、斬新なビジネスモデルが量産され、そのうち幾つかが成功するでしょうし、多くの産業分野で参入障壁が著しく下がり、栄枯盛衰がより著しくなると予想されます。一方、2020年度より小学校でプログラミング教育が必修化されたことに加えて、2022年度から高校で情報Iが必須科目となりました。
こうした環境で育ち、ITやAIを当たり前のように使う世代、すなわちAIネイティブ世代が続々と入社してくる「人材2029年問題」が話題となっており、企業の人材戦略や組織運営にも影響を及ぼすでしょう。人々の生活や行動様式も、「人に聞く前に、まずAIに聞く」「人間の創造的な能力をAIが増強する」「人と機械が共生して暮らす」といったことが当たり前となっていくと考えられます。このような変化によって2020年代の後半からは、AIコンバージェンスの時代が到来すると予測します。