「2024年問題」に向き合う医療業界の働き方改革とデジタル活用
今回は「「2024年問題」に向き合う医療業界の働き方改革とデジタル活用」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
2019年4月から「働き方改革関連法」が順次施行されています。医療業界では、過剰な時間外労働の削減を目指して、医師の時間外労働に上限規制が設けられました。原則として、医師の労働時間は「月80時間・年960時間以内」に収める必要があり、例外として救急医療、臨床・専門研修などは「月155時間・年1860時間以内」に労働時間を収めることと決められています。
しかし、いまだにこの取り決めは守られていません。背景には2つの課題があります。
まずは、人手不足が慢性化していることです。現在の医療業界は、医療従事者のオーバーワークによって成立しているのが実情です。特に、緊急対応が必要になる救急、産婦人科、外科や救急病院に指定されている医療機関では長時間労働になりがちです。
次に、宿日直勤務制・オンコール勤務制が存在することです。医療機関によっては、宿日直勤務体制、勤務時間外に電話の呼び出しをされるオンコール勤務体制を設けており、これらによってオーバーワークが発生しているケースが多々あります。
患者の命を預かる医療従事者の労働環境は、非常に過酷です。これが人手不足に拍車をかけており、人手が足りないために時間外労働が増加したり、幅広い業務への対応が求められたりして、負担が大きくなる悪循環を招いています。医療業界においては、医療システム運用の要ともいうべきIT担当者も人手が足りていません。
こうした課題を解決するものとして、新たなテクノロジーが注目を浴びています。
有効な解決策として考えられているのが、医療業務のデジタル化(オンライン化)です。例えば、「Cisco Webex」のようなオンラインコミュニケーションツールを導入すると、オンラインコミュニケーションを行える環境を手軽に構築でき、外来診療や訪問診療、カンファレンスやミーティングなどをオンラインで実施できるほか、医療従事者のリモートワークも可能となります。移動時間の削減やスケジュール効率化など、多数の効果を得られるでしょう。
また、医療従事者への負担を減らしながら患者の状態をモニタリングするには、ネットワークカメラも有効です。難しそうに思えるかもしれませんが、カメラ本体とインターネット環境さえあれば、仮設病棟や患者の自宅などどこでも利用可能です。
発熱外来や隔離病棟といった臨時施設で、ITインフラが求められることもあるでしょう。ITインフラの迅速な構築を支援することができ、かつ医療機関向けのリモートソリューションを展開しているベンダーは、シスコシステムズを含め多数存在します。リモートソリューションには、医療機関に併設される臨時施設にてWi-Fi環境を構築するための屋外用アクセスポイント(AP)、ホテルや公共施設といった遠方の臨時施設に医療機関と同様のWi-Fi環境を構築するクラウド管理型APなどが含まれます。
コロナ禍は落ち着きつつありますが、今後どのような新型パンデミックに見舞われるかは誰にも予測できません。そのため、こうした対策を講じておくことは必要不可欠といえます。そのほか、位置情報システムを導入すれば、医療従事者や職員、患者、医療機器などの位置情報を把握可能です。
シスコシステムズは、ここで紹介したようなテクノロジーを用いて医療機関のデジタル化をさらに推進することで、医療従事者の働き方改革も実現できるようになると考えています。