IT部門は開発標準の刷新を急ぐべき–ガートナー
今回は「IT部門は開発標準の刷新を急ぐべき–ガートナー」についてご紹介します。
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ガートナージャパンは、IT部門が2028年までに開発標準を刷新しなければ、開発技術の進化による生産性向上が限定的となってビジネス部門の需要に対応し切れなくなるとの見解を発表した。2028年にかけて技術的な負債を解消できる日本企業が20%にとどまると予想している。
同社によると、2024年9月に従業員数1000人以上の国内大企業のIT部門を対象に実施した調査の結果で、「経営層から十分信頼されている」との自己評価が13.3%、「業務アプリケーションのユーザーから信頼されている」との回答がわずか9.7%だったと説明する。「業務アプリケーションによるビジネスの成果を獲得できている」とした回答者とそうでない回答者との間に、利害関係者との関係性やITに対する姿勢に鮮明な違いが見られたという。
こうした背景には、ビジネス部門が業務を支えるアプリケーションとそれらが生み出すデータの活用で効率化や最適化にとどまらない成果を期待している一方で、ローコード/ノーコード開発プラットフォームやSaaSなどの業務アプリケーションの台頭があり、ビジネス部門主導でこれらが導入され、業務改革が推進されているとする。
他方で、国内のソフトウェアエンジニアリング組織では、ローコードやAIなど生産性向上が期待される技術の導入が進み、同社の調査では76%の回答者が2025年までにローコード/ノーコード開発プラットフォームを導入予定だとした。また、2024年6月実施の別の調査では、ソフトウェア開発における生成AIの本格的な利用が始まっていることも明らかになったという。
ただし同社は、過度なカスタマイズといった技術的な負債を抱えるレガシーアプリケーションが足かせになっているとも指摘する。パッケージなどの標準機能に極力合わせてカスタマイズを減らす「Fit to Standard」のアプローチを採用するケースが増えているものの、「現行機能をそのまま再現してほしい」というユーザーの要望に押し切られ、形骸化する例が多く見られるとしている。そうした結果、モダンな開発手法を活用して技術的負債を解消できる日本企業は2028年にかけても20%にとどまる見込みだという。
同社バイス プレジデントアナリストの本好宏次氏は、ビジネス戦略と連動した形でアプリケーションを刷新しなければ新たな負債を抱える可能性が高いという現実をIT部門が認識する必要があると指摘している。