社外をどう説得したのか–契約業務をデジタル化したドリコムの秘策

今回は「社外をどう説得したのか–契約業務をデジタル化したドリコムの秘策」についてご紹介します。

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 収束のめどが立たないコロナ禍だが、ワクチンの接種が始まろうとしており、ようやく明るい兆しが見えつつある。「コロナ禍以前の生活に戻れる」と期待できるようになっているが、コロナ禍の以前と以後で大きく変わったのが、企業の業務現場でのデジタル化に対する実感だ。

 2回の緊急事態宣言でホワイトカラーは強制的な在宅勤務となり、さまざまな混乱が見られるとともに、生産性低下に悩まされる事態となった。それでも、仕事をデジタル化したことで、コロナ禍以前に「うちの会社には向かない」と思っていたITツールが意外に“使える”モノと認識されるようになっている(その代表例が、ウェブ会議サービス「Zoom」と言える)。

 緊急事態の状況で見られた混乱を象徴するのが、紙にハンコを押すためだけに出社せざるを得なかったという事態だ。しかし、この問題に対しては、例えば紙をベースにしたワークフローはデジタル化できるようになっているし、契約もデジタル化できるようになっている。

 突如として在宅勤務を強制されたが、テレワーク/リモートワークで使えるITツールはさまざま用意されており、現場の創意工夫で業務はデジタル化でき、その恩恵を現場は実感してしまっている。

 「こんなに便利だったのなら、なぜもっと早く導入しなかったのか」――。つまり、業務のデジタル化が業務プロセスのスピード向上に大きく貢献できることを全員が体感してしまったとも表現できる。

 コロナ禍は近いうちに収束するであろうことは誰もが予感している。しかし、業務のスピードをコロナ禍以前に戻すことはできない。現場の誰もがデジタル化した業務で速度向上を実感してしまった以上、「仕事のやり方をコロナ禍以前に戻しましょう」とは言えなくなってしまっているからだ。

 コロナ禍に関係なく、日本企業のホワイトカラーの生産性が低いことは度々指摘されている。業務の現場での生産性向上は日本企業にとって古くて新しい課題だが、デジタル化したことで企業全体の生産性向上は決して解決できないテーマではなくなろうとしている。

 グループメディアのTechRepublic Japanでは、「業務デジタル化セミナー」を3月17日にオンラインで開催する。基調講演には、スマートフォン向けのソーシャルゲームを中心としたゲーム開発事業を展開するドリコムの小林奨氏(経営企画部 事業管理グループ グループ長)が登壇する。

 同社では、コロナ禍以前の2018年12月から電子契約をベースとした業務プロセス改善を全社的に進めており、現在では90%以上の書類の電子化を実現し、生産性とコンプライアンスの両面で大きな成果を挙げているという。小林氏には、導入前後の業務プロセス比較、導入後に得られた効果を語ってもらう。

 契約というのは、企業内部のワークフローと違って、社外の取引先の意向が重要になってくる。ドリコムがいかにして電子契約を進めていったのか、その舞台裏が語られる。契約という、社外も巻き込んでプロセスの向上を図りたい企業にとっては、貴重な知見を得られるはずだ。

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