米IT業界の給与が減少傾向–経験の浅い働き手に顕著な影響
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過去3年の間で、全世界を襲ったパンデミックへの対応から、インフレ率の上昇、生成型の人工知能(AI)の台頭に至るまで、めまぐるしい変化が矢継ぎ早に訪れた。これらは人々の生活のほぼ全ての面に影響を与えており、給与もその例外ではないことに驚きはないはずだ。
「Hired」を運営しているVetteryは米国時間9月20日、2023年版の「State of Tech Salaries」(テクノロジー業界の給与状況)レポートを公開した。このレポートは、求職・求人プラットフォームであるHiredが所有するデータと、1300人を超えるテクノロジー分野のプロフェッショナルを対象にした調査の結果に基づき、テクノロジーワーカー市場の現状を分析している。
同レポートによると、米国国内においては完全オフィス勤務の人々と、ハイブリッドワークの人々の双方を含む従事者の平均給与が、過去1年で16万1000ドル(約2390万円)から15万6000ドル(約2310万円)へと、約3%減少したという。
同レポートには「インフレ率を考慮した場合、Hiredのデータは驚くべき状況を明らかにしている。米国内の給与は、2022年から2023年半ばに14万1000ドル(約2090万円)から12万9000ドル(約1910万円)へと約9%減少し、過去5年間で最低の水準となっている」と記されている。
また同レポートでは、給与に対する懸念を和らげる、あるいは経験の浅い人の懸念を増大させる傾向も見い出されている。それは、経験が豊富であればあるほど、給与が下がりにくくなるという点だ。
生成型AIの台頭と市場環境の変化が相まって、経営層は労働力に関する難しい決断を迫られるようになった。その結果、経験が4年に満たない人材の給与は前年比で5%近く減少している。
さらに、経験の浅いスタッフに対する需要も低下しており、Hiredに掲載される求人数の割合は2019年には45%だったが、2023年の前半には25%にまで減少している。
こうした事実や統計を見ると、テクノロジー業界の未来はあまり明るく感じられないかもしれないが、それでも給与の平均は15万6000ドルであり、働く業界としては悪くない。この額は、米労働省(DOL)が調査した米国のナレッジワーカーの平均給与である7万8000ドル(約1160万円)のほぼ2倍に相当するからだ。