新製品・サービス開発でシャドーITが増加–ガートナー調査
今回は「新製品・サービス開発でシャドーITが増加–ガートナー調査」についてご紹介します。
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ガートナージャパン(Gartner)は、国内企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)におけるソーシング(調達)動向に関する調査結果を発表した。同調査は、4月にウェブで実施された。
同調査では、あらかじめ8つの分野を提示してDXの取り組み状況を尋ねたところ、全ての分野で回答企業の過半数以上が着手していると分かった(図1)。最も高い割合の取り組みは、「既存ビジネスにおけるコスト削減やオペレーションの効率化」(74%)だった。
取り組みを主導する組織についてGartnerは、既存の業務システムの改革が必要な分野では、必然的にIT部門が主導して進める企業が多い一方、新製品/サービスの開発は関連する事業部門や研究開発部門、顧客マーケティング部門などが適宜連携しながら進めていると考えられるとしている。
新製品・サービスの開発については、IT部門を介さずに社外のベンダーやサービスを選定し、活用するシャドーITと言われるようなケースも増えているとみられる。こうした状況では、社外のベンダーやサービスを適切に選定できないといったリスクも高まるため、ITリーダーが検討すべき課題として大きくなっていると同社は指摘する。具体的には、IT部門の立ち位置を明確化し、関連部門との合意のもとベンダー選定や契約、パフォーマンス管理などの側方支援の施策を検討することが重要だという。
また今回の調査では、3つのフェーズ(戦略・企画立案、設計・開発・実装、運用・管理・保守)におけるイン/アウトソーシングの実施状況についても尋ねている。
戦略・企画立案は、社内リソースを中心として進めている企業が約60%に上った。一方、後工程となるシステムの設計・開発・実装では、「大部分を社外のリソースに委託している」と回答した割合が48%に及んだ(図2)。
この結果についてGartnerは、上流工程では社外リソースを活用することで、外部から新しいアイデアや先端技術などの知見を得られる一方、社外のスキルに依存してしまい、知見やノウハウが社内に蓄積されないといったリスクがあると説明する。社外のリソースを活用する際は、連携体制の実現性やベンダー依存のリスクへの対応策なども併せて検討しておくことが重要だという。
今回の調査では、今後のソーシング方針のほか、DXにおける社外のリソースの選択肢についても調査している。その結果、今後のソーシングの方針は、それぞれの企業の課題や現状のソーシング施策によって異なると分かった。内製化を進める傾向を示した企業では、社外リソースを補完的に活用しつつも、今後は社内リソースの育成や強化を目指そうとする様子が見受けられるという。