NECファシリティーズ、リアルタイム映像解析による工場設備の異常検知システムを構築
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NECファシリティーズは、施設管理業務の強化に向けて、リアルタイム映像解析による工場設備の異常予兆検知システム「NEC DFM PresagioⅡ」を構築した。今後、同システムを展開しながらTotal IFM (Integrated Facility Management)を通じた工場施設運営事業において2025年に2,000億円の売上を目指すという。
NEC DFM PresagioⅡは、3Dウォークスルービューと振動診断の仕組みを組み合わせた、設備の異常予兆検知システム「NEC DFM Presagio」の後継製品で、キヤノンマーケティングジャパンの協力を得て、生産現場の自動化など生産性向上を支援する画像処理ソフトウェア「Vision Edition」の機能を追加している。NECファシリティーズは、同システムの活用により、施設管理業務の大半を占める目視点検作業の8割程度を削減し、点検作業者に依存しがちな判断基準を均一化できるとしている。
NEC DFM PresagioⅡの目視点検作業では、施設管理業務のノウハウによる監視ポイントの選定や、リアルタイム映像解析と熟練技術者による基準値・正常状態の定義付けが特徴だという。
監視ポイントの選定では、半導体工場を中心に蓄積してきた施設管理業務のノウハウを有する同社の熟練技術者が、多くの点検対象設備の中から重点監視ポイントを選定する。選定した監視ポイントを画像処理ソフトウェアに登録することにより、監視カメラが監視ポイントを自動撮影し、異常の有無を判定する。
また、基準値・正常状態の定義付けでは、Vision Editionがアナログメータの読み取りや数字の認識など映像の種類に合わせてリアルタイムで映像を解析する。施設管理のノウハウを生かし、複数の監視ポイントの解析結果を組み合わせて異常を判定できるロジック(判定フロー)を画像処理ソフトウェアに搭載し、単一の監視ポイント異常だけではなく設備の系統全体での異常判定を実施する。これにより判断基準の均一化が可能となるという。
NECファシリティーズは、工場設備の巡回点検の約7割が目視点検作業になるため、巡回点検の効率化には目視点検作業の自動化が有効になると説明。しかし、目視点検作業にはアナログ・デジタルメータの読み取り、制御盤のランプ点灯確認、設備の表示パネルの内容確認といった多様な対応と目視で得た情報を基に異常を判定するノウハウが求められ、その習得には5年から10年の期間を要するとされている。
そこで同社は点検作業の合理化を目指し、NEC DFM PresagioⅡを活用して点検作業者による巡回点検業務から自動監視への代替に向けた運用を開始。NEC玉川事業場で受託している施設管理業務において新システムの運用を行い、今後は同システムを活用して施設管理業務のアウトソーシングサービスの作業効率と品質を向上していく。
また、キヤノンマーケティングジャパンと協力し、水漏れ、蒸気漏れなどのトラブル検知に取り組み、異常予兆検知システムの機能をさらに拡張することで、目視点検作業の代替範囲を拡大する計画だ。