「Box」をAIで強化–「Box AI」ベータ版を提供開始したBox Japan
今回は「「Box」をAIで強化–「Box AI」ベータ版を提供開始したBox Japan」についてご紹介します。
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コンテンツクラウドサービスを提供するBoxの日本法人Box Japanは12月7日、AI機能「Box AI」のベータ版を11月に提供開始したのに伴い、記者説明会を開催した。
Boxで製品戦略担当バイスプレジデントを務めるRand Wacker氏は、コラボレーションの促進が同社のミッションと述べ、企業が持つ課題として、情報がデータセンターやクラウド、アプリケーションといったさまざまな場所に存在している状況を挙げる。この課題は海外に比べて日本企業でより顕著だと同氏はいい、「日本企業の働き方を変える大きな機会」と捉える。
このような課題を解決するため、同社は「コンテンツクラウド」を提供する。企業にとって重要な全ての情報をセキュアな1つの場所に格納し、さまざまな業務プロセスを可能にする。社内外とのファイル共有といった基本的な機能から、ワークフローや電子署名といったより高度な機能まで幅広く備える。
生成AIは、これらの機能をさらに強化するとWacker氏。AIの新時代が1年ほど前から始まっており、少なくともコンテンツ領域においては、過去20年間のいかなる技術をも上回る機能が登場するだろうと同氏は予測する。
特に企業にある情報の9割以上が非構造化データで、さまざまなドキュメントやファイルとして存在している場合、生成AIが大きく役立つ。それらを読んで理解し、より良いワークフロー、より強固なセキュリティ、より多くの知識の蓄積を可能にするためだとWacker氏は語る。
Boxでは、AI機能の設計に当たり、OpenAI、Microsoft、Googleといったパートナーが提供する大規模言語モデル(LLM)の活用を可能にするとともに、特定の業界や地域に特化したモデルも利用できるようにしている。
Box AIは、ファイルに関して自然言語で質問をするだけでインサイトを返す機能を備える。対象となるドキュメントは100種類を超え、サイズが数百ページに及んでもサポートされる。日本語から他の言語、また、その逆への翻訳もできる。「Box AI for Notes」は、電子メールや会議のアジェンダ、物語のアウトラインといった文章を一から生成ができ、既存の文書を要約・校正することも可能だ。
これら全ての機能はBox AIプラットフォーム上で構築されている。ユーザーのデータを保護するよう設計されており、AIの学習に使われることはないとWacker氏は強調する。さまざまなベンダーのLLMに対応可能だが、それぞれが持つ強みを目的別に使い分けられるようにするためだと同氏は説明する。情報の漏えいを防ぐため、ユーザーがどのデータにアクセス可能かが権限によって制限されている。また、ハルシネーションを防ぐ仕組みも備わっている。
Box AIは「Enterprise Plus」プランの一部として提供されるため、他のAIサービスと異なり、AI機能の使用に当たり追加で料金が必要となることはないと同氏はアピールする。
2024年には、より高度なAI機能をリリースする予定だという。プロンプトのカスタマイズ、カスタムモデル選択、最先端モデルの活用といった機能をWacker氏は挙げる。
最後にWacker氏は、同社で設けている「AI原則」について触れ、AI領域における「制御」「セキュリティとプライバシー」「透明性」に関するコミットメントを明らかにしているとした(下図)。
続いて登壇した、Box Japanで専務執行役員 バイスプレジデントを務める佐藤範之氏は、日本でのビジネス概況と自社内のAI事例を紹介した。
10期目に入った同社は、顧客数が1万6000社を超え、「日経225」の約72%が導入企業だという。コンテンツ基盤として、さまざまな業界に幅広く利用されていると佐藤氏は力を込めた。