生成AIの力をアジャイルで引き出す–変化の激しい技術に短いサイクルで対応
今回は「生成AIの力をアジャイルで引き出す–変化の激しい技術に短いサイクルで対応」についてご紹介します。
関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
アジャイル開発手法は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック下で有効性が実証された。次は、人工知能(AI)の利点を引き出す鍵となる可能性がある。
COVID-19によって社会がロックダウンを余儀なくされたとき、最高情報責任者(CIO)とそのチームに課せられた役割は、新しいコラボレーションプラットフォームとビジネスモデルを月単位や年単位ではなく、日単位や週単位で構築することだった。
アジャイル開発手法は、チームが自らの技法を継続的に見直して、検査し、適応させることで、アプリケーションを柔軟かつ迅速に提供する手法であり、アジャイルによってスケーラブルなテクノロジーソリューションを開発する手段が得られたという意見が、パンデミック下で多数のCIOから米ZDNETに寄せられた。
ITチームはそのプロセスで多くを学んだ。技術者はアジャイル手法を用いてビジネス部門と連携し、システムやサービスを提供した。
ビジネス部門も、その迅速な開発プロセスから学んだことがある。IT部門は伝統的にコストセンターとみなされていたが、パンデミック下で自らの価値を証明し、困難な状況で従業員のつながりと生産性を維持した。
今、新しい課題が生じつつある。生成AIの急速な台頭によって、IT部門に新たな重圧がかかっていることだ。
OpenAIの「ChatGPT」やMicrosoftの「Copilot」といったツールの利点が盛んに取り上げられており、それを耳にした企業の経営幹部は、データ活用による生産性向上の利点を自社で活用したいと望んでいる。
パンデミック下でテクノロジーをスケールアップしたように、企業は今回、生成AIサービスを戦術的に導入することで、競合他社を出し抜きたい考えだ。そこでアジャイルが役立つ可能性がある。
米ZDNETに寄稿しているVala Afshar氏は先頃、アジャイルを使用して生成AI技術を探求するには、実験の文化を育み、全従業員に迅速な探索と失敗を奨励すればいい、と説明した。
Logicalisの最高技術責任者(CTO)であるToby Alcock氏も同じ意見で、アジャイルは新興技術の調査に適しているはずだ、と米ZDNETに語った。
「アジャイルで重要なのは、ビジネスの成果に迅速に対応して、何かを提供し、それを拡大、進化させて、ビジネスの成果を早いペースで出し続ける能力だ」とAlcock氏。「そのシナリオにおいて、アジャイル開発には生成AIプロジェクトで成果を上げる大きな可能性があると思う」
Alcock氏は先頃、米ZDNETに対し、AIをビジネスに効果的に組み込むことがCIOの2024年の最優先事項だと説明した。
Logicalisが世界のデジタルリーダー1000人を対象に実施した最近の調査では、89%が2024年に自社でAIを導入したいと回答し、85%がAI開発に予算を割り当てたと答えている。
しかし、別の調査では、提供のペースがAIの需要に追いついていないことが示されている。AIによって生産性や顧客サービスを向上させる方法を模索している組織もあるが、新興技術を本番環境に導入している組織は少ない。
コンサルティング会社Carruthers and Jacksonの「Data Maturity Index」では、87%ものデータリーダーが、自社でAIを使用している従業員はごく少数、または全くいないと回答した。
Carruthers and Jacksonの最高経営責任者(CEO)のCaroline Carruthers氏は先頃、米ZDNETに対し、多くの企業が「AIに起因する麻痺」に苦しんでいると述べた。AIの成熟度が高く、AI部門が設立され、明確なAIプロセスを定めている企業は、わずか5%だという。
大半の組織にとっての適切なアプローチは、小さな問題に焦点を当てて、企業の一部が生成AIを使用して大きな変化を生み出せるようにすることだ、と同氏は語る。
企業は、そのプロジェクトを生成AIの試験場として利用し、ビジネスの成果、資金調達、ガバナンス、セキュリティに関するベストプラクティスのガイドラインに準拠した他のユースケースを構築する必要がある。