経営者の求める飛躍・成長に応える人材データ活用を提案するサイダスの取り組み
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ビジネスは順調に推移しているのに、人材不足や退職者の増加が経営計画に沿った人材の確保、採用、配置、育成の計画作りを困難にさせる――。そんな課題を解決する策として、タレントマネジメントシステムへの関心が高まっており、その1つサイダスが提供するクラウド型システム「CYDAS」を利用する企業の従業員数が、近く合計100万人を超える伸びを見せているという。
サイダスは2011年10月、大塚商会で会計や販売管理、人事、給与などシステムの販売を担当していた松田晋氏が創業した。現在はサイダスで代表取締役を務める。「経営者の悩みはお金だけではなく、人にもある」と、気付いた松田氏が人材の確保から配置、育成などを支援するタレントマネジメントシステムを探した。「日本にはなかったが、米国にあったので、渡米し勉強した」。当初、販売代理店を考えたものの、「日本の企業文化に合わないように思えた」という。
そこで、「働く景色を一変させる」をパーパスにし、同社は人や組織を支えるシステムの開発に取り組み始める。例えば、「自分に向いていない仕事」や「上司と合わない」などさまざまな理由から辞めたい従業員に、「向いている仕事」など能力を発揮できる仕事を探し出したり、創り出したりすれば、既存事業の強化や新規事業に必要なスキルを持つ人材の退職を未然に防げることにもなる。慢性的な人材不足の中での採用の苦労も減らせるだろう。
同社は2012年、そんな課題を解決するタレントマネジメントシステムの提供を開始し、ユーザーを次々に獲得していく。ところが中堅・中小企業から大企業へと導入が広がるとともに、課題が表面化した。「ある条件で従業員を検索すると、システムがくるくる回ってしまう」(松田氏)。これは、検索速度が遅くなるということだ。従業員一人一人の履歴データの量が年月とともに増えていくことが理由に挙げられる。加えて、汎用(はんよう)テーブルに履歴データを持たせる仕組みでは、少ない履歴データの活用になり、最適な人材を見つけ出し、配置することが難しくもなる。
そう判断した松田氏は、2017年にタレントマネジメントシステムを作り直すことにした。基本的な考え方は、人事データは人と組織にひも付くようにし、経営計画に沿って求める人材やポジションを確保、配置できるようにすること。もちろん、従業員が能力を発揮できる組織にする。例えば、中期経営計画に沿って、人事担当役員らはどんな職種を強化するのか、新規事業に必要な新しい職種やスキルの人材を獲得・育成など要員計画を作るだろう。
松田氏によると、こうした計画作りに「Excel」を使う企業が少なくないという。それでは蓄積したはずの履歴データを十分に生かせないことになる。タレントマネジメントシステムを導入している企業も運用をきちんとできずに、用途が目標管理や社内電話帳などにとどまっていることもあるという。
しかし、作り直し中に既存ユーザーが次々に解約し、売り上げがどんどん落ち込んでいった。2021年に従業員1人当たり月額350円の新しいクラウド型システムの提供を本格開始したことで、既存ユーザーの移行や新規ユーザーの獲得が進み、業績は回復。最近は新しいシステムの月ベースの売り上げが既存システムを上回り始めているという。しかも、引き合いや問い合わせが数多くあり、広告や展示会への出展を控えることを考えている。資金調達も順調に進んでいるという。