横浜市立市民病院、脳ドック用AIプログラム導入–認知機能低下の予防に向け
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横浜市立市民病院は、脳ドック用人工知能(AI)プログラム「Brain Life Imaging」を導入した。同プログラムを提供するSplinkが発表した。公立病院がこのプログラムを導入するのは初めてだという。
同プログラムは、頭部MRI画像をAIで解析し、脳の中でも記憶や学習に関わりの深い「海馬」領域の体積を測定・可視化し、受診者目線の分かりやすいレポートを提示する。また、解析データの保存・蓄積により、経年変化を可視化することで、より深い気付きを個人に提供する。
横浜市立市民病院では脳ドックに脳の萎縮状況や現在の認知機能を評価し、将来の認知症発症のリスクを判定する検査がオプションとして追加可能となる。
同病院では検査の結果、認知症の疑いがある場合は専門医の治療につなげる。さらに脳に萎縮が認められた場合や遺伝子検査などで将来的な認知症のリスクが高いと判断された人には、認知症予防に効果のある生活習慣の取組や地域活動などの紹介のほか、担当医によるフォロー、専門医による遺伝カウンセリングの実施などにより対象者を支援する。
脳ドックは、従来、脳卒中や脳腫瘍といった血管性の脳の病気を見つけるために行われることが多く、主に脳卒中の早期発見に用いられる検査として認知されている。しかし近年、脳萎縮など認知症リスクや認知機能低下リスクへの意識の高まりに伴い、認知機能に関する検査を希望する人が増加傾向にある。
受診者にとっては、比較的に若い年齢から脳の認知機能を測ることにより、将来の認知症につながるようなリスク行動を控え、脳に良い生活を意識するようになるというメリットがある。